言葉の暴力について
オンラインゲームでのチャットや、ネット上でよく見られる差別的なネットスラングやネタ。言われても意に介さない方もいれば、傷つく方もいます。ここでは、それらのネットスラングや、無自覚なまま面白がって用いているネット用語が、実は人を傷つけたり不快にさせてしまっているかもしれない可能性について記事にします。
ネット社会が生み出した弊害
オンラインゲームのみならず、大型掲示板や、サイトのコメント欄、SNSなど、ネット上は誰でもある程度の自由な発言が許されています。個人で自由に情報発信ができる世の中になったことで、偏向したマスコミ報道のみに踊らされる事なく、独自に多くの情報が得られるようになりました。様々な場面で役に立つサイトも多く、多くの人々にとってインターネットは今や欠かせない存在です。ネットは私達の生活に大きな変化を与えてくれました。しかし、同時に大きな弊害も生み出しました。ネットを利用した多種多様な犯罪や個人への誹謗中傷。そして、民族や障がい、性的マイノリティーを揶揄したネタやアスキーアート、ネットスラング。
ゲーム内では禁止語句として多くのNGワードが存在していますが、自戒の意味も込めて、メンバーに気を付けてほしい事、人権侵害、考えてほしいことを伝えます。
想像してほしいのです
想像してみてください。
あなたが結婚して子供が生まれ、その子供が障がいを持っていたとしたら・・・
「このガイジが!」「アスペかよw」「池沼」などの言葉を見て
笑えますか?
想像してみてください。
あなたの子供が、「しねかす」「死ねよ」などの言葉を、チャットや実際に発言をしている場面を目にしたとしたら・・・
何とも思いませんか?それでよし!としますか?
想像してみてください。
あなたが親しくしていて、大事に思っている友人や先輩後輩が、実は同性愛者だった・・・
その時、あなたは「気持ちわるw」「ホモwww」などの言葉を投げかけますか?
想像してみてください。
あなたが親しくしていて、大事に思っている友人や先輩後輩が、実は在日韓国人だった・・・
その時、あなたは「ちょんかよ」「朝鮮帰れよ」などの言葉を投げかけますか?
人を理解する
ネット上では、人と違った意見を述べただけで「お前アスペやろ」「いけぬまw」などの言葉を投げかける人がいます。何かあったらアスペアスペ。池沼。それらの文字を見るたび、私は悲しい気持ちになります。なぜならば、私の子供は二人とも障がいを抱えているからです。一人は知的障害を伴わない自閉症。もう一人は知的障害を伴う自閉症です。障がいにより運動能力に難がある長男は健常者のように普通に走れません。運動会で一生懸命全力で走る息子を「なにwあの子www」と笑う父兄たちがいました。「この子は病気です!」と、親である私たちに向けて赤ペンで文字を書き殴った教師もいました。いろいろありました。息子はよく耐えたと思います。
息子の動きのぎこちなさが障害によるものと知っていれば、馬鹿にした笑いは起こらなかったかもしれません。全ては想像力と理解力の欠如によるものだと思います。私も自分の子供に障がいが無ければ、障がいについて知る事もなく、無理解なままでいたかもしれません。だから思うのです。私の周囲にLGBTの方や韓国籍の方はいませんが、もし当事者だったらどうであったかと。そして、性的マイノリティーを馬鹿にしたり、韓国人、朝鮮人の方を馬鹿にしたりは絶対にしないでおこうと、それらをネタにして茶化すようなことはしないでおこうと強く思うようになりました。ですが、当事者ではないので分からない事も多く理解不足なのは否めません。自覚のないまま誰かを傷つけるような発言をした過去があるかもしれません。そのようなことが起こらぬよう、想像力を働かせて生きて参る所存です。
政治的な面で言うと、国としての韓国、中国、ロシアは嫌いです。竹島も尖閣諸島も北方領土も日本の領土です。特に韓国政府及び一部の政治家や民間団体のプロパガンダには憤りを感じます。ですが、その「嫌い」という感情を、そのまま国民に当てはめるのは違うのではないかと考えます。私が仕事でやりとりした韓国人の方は、穏やかで感じの良い方でした。私に合わせ、日本語でメールをくれました。「今度是非会いましょうね!」と。お客様として何度か多額の買い物をしてくれた中国人の奥様。ファミレスやコンビニで一生懸命に接客をする中国人の若者。「日本統治時代は良かった」と発言する韓国のお年寄りの方々。中韓にも良い人は沢山いるのです。どこの国にも悪い奴もいれば良い人もいます。
国でレッテルを貼るという風潮から、日本人はいい加減脱却しなければなりません。それこそネット民がよく口にする「民度」を下げる行為です。親日国として有名なトルコ人にも悪い奴はいます。以前にプレイしていたTPSのゲームでは、トルコ人の集団が正統ではない方法でログインし、毎日毎日迷惑行為を行っていました。一概に国だけで判断はできないという事です。
♪生まれた所や皮膚や目の色で
いったいこの僕の何がわかるというのだろう♪
THE BLUE HEARTS『青空』の歌詞の一部です。
今一度、想像してみてください。
自分が当事者であればどうだったかということを。
自分は言われても大丈夫。問題ないと言う人もいるかもしれません。ですが、自分が大丈夫だからといって他の人がそうであるとは限りません。心ない言葉に傷つく人は、世界中に数え切れないほど存在しています。
線引きが難しい部分もありますが、それは各個人が決める事。そのラインは私とそんなに離れていないと信じています。この記事を見て「言葉狩りだ!」「めんどくせえ」などと思う人もいるでしょう。そう思われる方は仕方がありません。その人は私とは合わないということでしょう。
長くなるだけだからまとめるよー
堅い記事を書きましたが、CXPのギルドチャットは、いつも笑いがあります。優しさがあります。みんな常識ある大人です。本当に良いメンバーが集ってくれていると思います。私の問題提起により、何かを感じてくれたら幸いです。言葉に気をつけつつ今の雰囲気を大切に!楽しいギルドでありつづける為に!
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私は障害者を「障がい者」と書く事が多いですが、これは「障害」と書かれる事に抵抗のある親御さんがいる事実を鑑みての私の思いからくるものであり、全ての人が「障がい者」の文字を使うべきとは思っておりません。また「障害」と書く人に嫌悪感もありません。
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LGBT=レズビアン(女性同性愛者)の「L」、ゲイ(男性同性愛者)の「G」、バイセクシュアル(両性愛者)の「B」、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の「T」の頭文字をとったセクシュアルマイノリティ(性的少数者)の総称です。
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性同一性障害という文字が世間に認識され始めたのは近年のことですが、最近では「障害」の文字を除いた違う名称にしようとする動きもあるようです。それぞれの分野で、理解に向けた様々な活動が行われています。